2017年6月19日

顔と地図

Facial maps


中国の民俗に関する古い資料を見ていると、びっちり区分けした人の顔の図が見当たる。「面相図」「面痣図」等々と呼ばれているもので、人相を占うための顔の地図だ。


最初に見つけたのがこのような図だった。「九州八卦図」といい、顔を一国に見立て、それを9つの地方に分割して、それぞれに方位と地名をつけている(なお九州というのは中国の古称だ)。これが地図でなくんば何であるか?


さらに調べてゆくとこのような図を見つけた。凹凸にあわせて顔を分割し、ひとつひとつ場所に名前を付している。こんどは一村の絵図といった趣、「福堂」や「天倉」、「山根」など、村の字名を見るかのようだ。


この図にはいくつかバリエーションがあり、より細かく区切った図も見つけた。前の図が大字ならこれは小字の図。耳など、前図では1大字だったところが4つの小字に分けられている。
右耳の穴は「大字木星鬼穴」だ。

よく見ると「大海」「辺地」「海角」「懸壁」など、土地の様相は前図より広大になっている。かと思えば「盗賊」もいたりして怖い。