Railway badges
国鉄の徽章
鉄道省時代から昭和中頃まで使われた図案
ということだ。詳しい年代はまだ調べがついていない。
しかし桐を描くあたり、いかにも鹿爪らしいシンボルだと思う。
五七の桐は政府の紋章ということだからだ。
囲みの植物文もたぶん桐なんだろう。
家紋ふうに言うなら「抱き桐に五七桐」。
先っぽに3つずつついた押し麦みたいなのも
桐の実と言われれば桐の実に見える。
私鉄の徽章
1 武蔵野鉄道(1915~1945)
2 美唄鉄道(1915~1950)
3 神戸市電気局=交通局(1917〜現在)
4 西日本鉄道(1942~現在)
5 神戸電鉄(1949~現在)
6 上信電鉄(1897~現在)
7・8 関西急行鉄道(1941~1944)
9 天塩鉄道=天塩炭礦鉄道(1941~1967)
次は大小の地方私鉄の徽章だ。
こうして並べてみると、鉄道徽章図案界において、
先の国鉄の徽章の強い誘引力があることがわかる。
上図は影響され具合の高い順に並べたものだが、
1は「抱き桐に五七桐」にただ社紋をのせたもの
2〜4は「抱き桐」はそのままに中身だけ換えたもの
5~8は「抱き桐」を何かほかの植物に変更したもの
9は影響がまったくないもの
という具合だ。
ネット上で見かける限りは、どうも
1のスタイル、次いで2のスタイルを採用した会社が多いようだ。
またこれも確証はないが、京阪神方面の各社は
抱き桐を避けて独自の図案を使っていた様子があった。
戦前大阪のデザイン気骨は興味深いものがある。
東京都交通局
こういった、シンボルマークの
業界別慣習が研究テーマのひとつ。
(2016年6月4日改稿)