2015年4月30日

鉄道会社の徽章


Railway badges

 国鉄の徽章

鉄道省時代から昭和中頃まで使われた図案
ということだ。詳しい年代はまだ調べがついていない。
しかし桐を描くあたり、いかにも鹿爪らしいシンボルだと思う。
五七の桐は政府の紋章ということだからだ。

囲みの植物文もたぶん桐なんだろう。
家紋ふうに言うなら「抱き桐に五七桐」。
先っぽに3つずつついた押し麦みたいなのも
桐の実と言われれば桐の実に見える。

 私鉄の徽章

1 武蔵野鉄道(1915~1945)
2 美唄鉄道(1915~1950)
3 神戸市電気局交通局(1917〜現在)
4 西日本鉄道(1942~現在)
5 神戸電鉄(1949~現在)
6 上信電鉄(1897~現在)
7・8 関西急行鉄道(1941~1944)
9 天塩鉄道天塩炭礦鉄道(1941~1967)

次は大小の地方私鉄の徽章だ。
こうして並べてみると、鉄道徽章図案界において、
先の国鉄の徽章の強い誘引力があることがわかる。
上図は影響され具合の高い順に並べたものだが、

1は「抱き桐に五七桐」にただ社紋をのせたもの
2〜4は「抱き桐」はそのままに中身だけ換えたもの
5~8は「抱き桐」を何かほかの植物に変更したもの
9は影響がまったくないもの

という具合だ。
ネット上で見かける限りは、どうも
1のスタイル、次いで2のスタイルを採用した会社が多いようだ。

またこれも確証はないが、京阪神方面の各社は
抱き桐を避けて独自の図案を使っていた様子があった。
戦前大阪のデザイン気骨は興味深いものがある。

東京都交通局

こういった、シンボルマークの
業界別慣習が研究テーマのひとつ。

(2016年6月4日改稿)