2014年10月23日

沖縄の家紋


最近は家紋ブームが来ている。
紋帳を買い込んでただただ眺めている。
有名な武家の家紋もいいのだけど、
私が心惹かれているのは沖縄の紋章群だ。

 沖縄の家紋はなべてこのような独特の趣がある。
由緒ある士族のお家に受け継がれているようだ。

 琉球王家が左三つ巴左御紋を定めていたので、
はばかりつつ発展した巴紋がまず豊富にある。

 左御紋を起点に、
(1) 外に枠を付ける
(2) 巴を増やす、減らす
(3) 巴の隙間に物を入れる
(4) 「三つ」という数だけ受け継ぐ

という4パターンの組み合わせで独自性を競っている(上図)。
(3)では「丁字巴」、(4)では「渡辺星」という
大和の紋章に接近した例があるのが興味深い。

次いで、各家の名乗り頭や中国風の氏名一字を描いた文字紋が多く、
他には簡明な幾何紋、目新しい具象紋がいくつかある。

一般的な家紋とは大きく異なる沖縄の家紋だが、
現代の資料を見ると

「石持ち地抜き木瓜形に隅立て角に左一つ巴に一つ玉」

と、既存の家紋用語での描写を試みた例がいくつかあった(上図)。
日本紋章学の紋章記述blazonという感じがして面白い。


参考文献
本恵郷「琉球紋章Ⅰ」1992年、
Okinawa情報局「貴方も知らない沖縄の家紋」
http://www.okinawajoho.net/pc/culture/kamon/index.html  現在参照不可