最近は家紋ブームが来ている。
紋帳を買い込んでただただ眺めている。
有名な武家の家紋もいいのだけど、
私が心惹かれているのは沖縄の紋章群だ。
沖縄の家紋はなべてこのような独特の趣がある。
由緒ある士族のお家に受け継がれているようだ。
琉球王家が左三つ巴左御紋を定めていたので、
はばかりつつ発展した巴紋がまず豊富にある。
左御紋を起点に、
(1) 外に枠を付ける
(2) 巴を増やす、減らす
(3) 巴の隙間に物を入れる
(4) 「三つ」という数だけ受け継ぐ
という4パターンの組み合わせで独自性を競っている(上図)。
(3)では「丁字巴」、(4)では「渡辺星」という
大和の紋章に接近した例があるのが興味深い。
次いで、各家の名乗り頭や中国風の氏名一字を描いた文字紋が多く、
他には簡明な幾何紋、目新しい具象紋がいくつかある。
一般的な家紋とは大きく異なる沖縄の家紋だが、
現代の資料を見ると
「石持ち地抜き木瓜形に隅立て角に左一つ巴に一つ玉」
と、既存の家紋用語での描写を試みた例がいくつかあった(上図)。
日本紋章学の紋章記述blazonという感じがして面白い。
参考文献
本恵郷「琉球紋章Ⅰ」1992年、
Okinawa情報局「貴方も知らない沖縄の家紋」
http://www.okinawajoho.net/pc/culture/kamon/index.html 現在参照不可